電車に乗ったり人混みに入ると、急に息苦しくなって倒れそう

電車に乗ったり、人混みに入るととても緊張し不安になるといった症状があります。急なめまい、息切れ、胸の圧迫感などが生じ、じっとしていられない緊張感に襲われたり、逃げ出せない、追い詰められたような、不安を感じパニックになることもあります。1度症状が起こると「また症状が起きるのでないか?」と不安になります。このようなお悩みがある場合、早急に当クリニックへご相談ください。

心に現れる主な症状

  • 突然の強い不安や恐怖を感じる
  • 動悸が激しくなり、息苦しくなる
  • 冷や汗が出たり、手足が震える
  • その場から逃げたくなる衝動に駆られる
  • 次に同じ状況になるのが怖くなり、外出を避けるようになる

体に現れる主な症状

  • 突然の息苦しさや胸の圧迫感
  • 動悸やめまい、ふらつき
  • 手足のしびれや震え
  • 過呼吸(呼吸が浅く、速くなる)
  • 強い吐き気や胃の不快感

電車に乗ったり人混みに入ると、急に息苦しくなって倒れそう
などの症状で起こりやすい主な病名

パニック障害

パニック障害は、はっきりとしたきっかけがないにも関わらず、突然、激しい動悸や発汗、頻脈、震え、息苦しさ、めまいといった症状が起こってしまう病気です。身体的な異常に加えて、「死んでしまうのではないか」と思うほどの強い不安感に襲われるため、救急搬送されるケースもあります。しかし、病院で診察を受けるころには発作が治まっており、心電図や血液検査などをしても異常は見られません。

パニック障害の原因・症状

パニック障害は、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質が増加し、神経が異常に興奮することで起こりやすくなります。主な症状としては、パニック発作、予期不安、広場恐怖の3つに大別できます。このうちパニック発作は、強烈な不安感によって動悸、発汗、呼吸困難、ふらつき、吐き気、冷感などが代表的です。予期不安は、パニック発作を経験することで起こります。発作が起こるのではないかという不安を感じることでさらに不安感や恐怖感が強まってしまうのです。
広場恐怖は、公共交通機関に乗っているとき、繁華街を歩いているとき、行列に並んでいるときなどに起こります。公共の場所にいるときに発作が起こることが心配になり、「そこから逃れられないのではないか」、「恥をかくのではないか」といった不安が高まります。この状況を避けるため、外出が恐怖となって引きこもりがちとなり、仕事や日常生活に支障をきたしてしまうこともあります。

パニック障害の治療

パニック障害の治療は、薬物療法が基本となります。患者さんの症状に応じて抗うつ薬や抗不安薬などが処方されます。さらに、精神療法を追加することもあります。具体的には、誤った考え方や行動を修正していくための認知行動療法、心身をリラックスさせる方法を身につけるための自律訓練法などを取り入れ、パニック発作に対処する方法を身につけていきます。こうした治療によって徐々に症状が改善します。

自律神経失調症

自律神経失調症は、自律神経のバランスが崩れてしまい、心身にさまざまな不調をもたらす状態を指します。自律神経とは、交感神経と副交感神経という2つの神経から成り立っており、呼吸、体温、血管や内臓などの動きを無意識的にコントロールしています。

自律神経失調症の原因・症状

通常は交感神経(車にたとえればアクセル)と副交感神経(車のブレーキ)が、綱引きをするようにバランスをとりながらうまく働いていますが、ストレスや疲労、ホルモンバランスの乱れ、不規則な生活習慣などにより、バランスが崩れてしまうことがあります。この状態が、自律神経失調症なのです。

自律神経失調症の治療

主に薬物療法と心理療法が一般的ですが、発症原因や症状の現れ方によって、それぞれの患者様に対応した治療が行われます。
精神科における薬物療法では、自律神経の安定をはかり緊張を緩和させる効果がある抗不安薬が、女性ホルモンのバランスが乱れている場合は、婦人科でホルモン剤などが用いられます。また薬物療法と併せてカウンセリングなども行っていき、心身をリラックスできるようにもしていきます。また、夜はよく寝て、日中はしっかり活動するなど、規則正しい生活をする、栄養バランスのとれた食事を三食きちんと摂る、適度な運動をする、環境を調整しストレス因となっている要因を減らすなどの生活改善も、とても大切です。