「誰でも、何でも」相談できるクリニックを目指して
専門家として医学的に過誤のない適切な治療を行うことはもちろん大切ですが、それ以上に大切なのは来てくださった方がこれからどうなっていきたいか、どうありたいかであると考えています。
当クリニックでは「誰でも、何でも」をコンセプトに、未就学のお子さまから学生、働いておられる方、子育て中の親御さま、ご高齢の方まで、幅広い世代の方々それぞれの人生観や価値観に寄り添いながら、一人ひとりのご希望に沿った道筋を共に考えていきます。日常生活の中で感じる悩みや不安、心の不調について、「こんなことを相談していいのだろうか?」とためらってしまうようなことでもお気軽にご相談ください。ささいな不調の背景に精神疾患や発達特性が関与していることがあります。これらの症状が長引くことで生活に支障をきたすこともあるため、早期の相談・検査をお勧めします。心の不調が続く場合は、できるだけ早めにご相談ください。
当クリニックの限界について
当クリニックは小さな精神科のクリニックなので、大がかりな検査や入院などはとてもできません。
医師は1人しかいないので時間外のお困りごとにもなかなか対応できません。
なので、厳密に言うと先ほどの「誰でも、何でも」というコンセプトを満たせないところもあり大変心苦しいのですが、当クリニックの設備やマンパワーなどの限界を見極めた上で、必要な方には必要な医療機関をご紹介するなど、患者さまにとって良い選択肢をご提供できるよう努めてまいります。言うまでもなく、当クリニックでできる限りの診断・治療は全力で行って参りますので、安心してご来院ください。
診察時間についてのお願い
できるだけ多くの患者さまに医療を提供するため、医師の診察時間も限られる可能性があります。特にお待ちの方がいらっしゃる場合、これも心苦しいのですが再診時の診察時間は概ね5~10分程度となってしまいます。複数のご相談がある場合は受診間隔を短くする、事前にメモを準備するなど、ご協力をお願いいたします。もしもお時間が足りない場合はカウンセリングをご活用いただくか、事務員から聞き取りをさせていただくことも可能ですのでぜひご利用ください。
その人らしい選択と歩みを
大切に。
当クリニックでは、「Person-Centered Care(パーソン・センタード・ケア)」の考え方を大切にしています。
これは、病気や症状だけを見るのではなく、その人がどのように生きてきて、これからどうありたいと願っているか──そうした想いに寄り添いながら、医療を共につくっていく姿勢です。
精神的な不調やつらさに対して、どのような支えがその人にとって適しているのか。
私たちは、専門的な知識や経験に基づいた治療の選択肢をご提案しながらも、最終的な選択は、患者さんご自身の価値観や希望を最も大切にしてほしいと考えています。
たとえば ──
- 副作用が気になるので、なるべく自然な方法で回復したい
- 絶対に仕事を休めないので使えるならどんな薬でも使って早く治りたい
- まずはカウンセリングを試してから薬を使ってみたい
そんな風に、治療への想い1つをとっても願いや背景は人によってさまざまです。
医療者の考え方や経験が、すべての方に当てはまるとも限りません。
同じ診断であっても、「何を大切にしたいか」「どんな未来を目指したいか」によって、最善の道は異なります。
私たちは、治療方針を押しつけることなく、その方にとって納得のいく選択を一緒に考え、必要なサポートを丁寧に行ってまいります。
途中で迷いや不安が生じたときもいつでも立ち止まり、話し合い、共により良い方向へ調整していくことを大切にしています。
こころのつらさを抱えているとき、自分らしさを保つことは簡単ではありません。
だからこそ、私たちは医療を通して、その人らしいあり方を尊重する空間でありたいと思っています。どうか安心して、「誰でも、何でも」ご自身のペースでお話しください。
スタッフ一同、あたたかく丁寧にお迎えいたします。