
「昔のことなのに、なぜかずっと心に残っている」
「家族との関係が、今の自分に影響している気がする」
「トラウマと言えるか分からないけど、つらかった」
こうした思いを、誰にも話せず心の奥にしまい込んでいませんか?
時間が経ってもなお、思い出すと苦しくなる記憶や、言葉にできない"モヤモヤ"は、あなたの心が「整理できていない痛み」として、今もそっとサインを出しているのかもしれません。
「過去のこと」なのに
今も苦しいのは、なぜ?
私たちの心は、つらい経験があるとそれを"記憶"としてだけでなく、"感覚"や"思考のクセ"としても抱え続けてしまいます。
- 特定の場面で強い不安や無力感を感じる
- 人との距離がうまく取れない/必要以上に警戒してしまう
- 感情がうまくコントロールできない
- 自分には価値がないと感じてしまう
- 「大人になってからも苦しい」のは甘えではありません
それは「複雑性PTSD(Complex PTSD)」と呼ばれる状態かもしれません。
複雑性PTSDとは?
「複雑性PTSD」は、長期的・繰り返しの対人関係の中での深い傷つきによって起きる心の反応です。
虐待、ネグレクト、家庭内の緊張、いじめ、支配的な関係など…子ども時代の環境が影響していることもあります。
特徴的な症状には以下のようなものがあります
- 突然のフラッシュバックや感情の揺れ
- 自分を責め続ける思考(「私が悪かった」「私は愛される価値がない」など)
- 人間関係の安定が難しくなる
- 強い怒りや無力感、孤独感
- 世界や人への基本的な不信感
これらは、心が必死に生き延びようとした結果の“反応”であり、あなたの人格のせいではありません。
当クリニックでできる
サポート
- 安心できる対話から始めます
トラウマに触れることはとても勇気のいることです。私たちは、急かしたり、深掘りしたりせず、まず「安全な関係性」を大切にします。 - 状況に応じてカウンセリングや心理療法を併用します
- 心理士によるカウンセリング
- トラウマに配慮した心理療法(トラウマインフォームドケア)
- 認知処理療法、EMDR、マインドフルネス的アプローチの紹介も可能
- お薬についても慎重に対応します
強い不安や睡眠の問題がある場合、必要に応じてサポート的に薬を使うこともあります - ご希望があれば非薬物的な対応を中心に組み立てていきます
「過去のことを話してもいい場所」をあなたに
「話しても仕方がない」
「誰にもわかってもらえない」
そんなふうにあきらめていたことでも、言葉にしたり、誰かと共有することで、少しずつ"ただの思い出"にしていくことができます。
過去に何があったとしても、あなたには「これから」があります。
最後に
傷ついた経験を持つことは、弱さではありません。
それでも生きてきた、という証でもあります。
私たちは、あなたが「わかってほしかったこと」「守ってほしかったこと」に、そっと寄り添いたいと思っています。
ひとりで抱えなくても大丈夫。
心の奥にある重たい荷物を、一緒に少しずつ降ろしていきませんか?